2017.6.1

村瀬先生の動物看護師体験談

動物病院に勤めて初めて担当したワンちゃんの話です。
そのワンちゃんは、ケリー・ブルー・テリアという種類で、誤って飲んでしまった薬による中毒のために入院していました。
初めは基本寝たきり状態。けいれんや嘔吐が激しく、ごはんも食べられず、水も飲めず、意識もはっきりせず、咬みつきも激しいワンちゃんでした。

点滴を変えたり、汚れたシーツを変えるのにも苦労しました。
咬まれたり、時間がかかりすぎて獣医の先生に怒られる事もありましたが、初めて担当させてもらえたワンちゃんだったので、何とかしてあげたくて、諦めず話しかけながら治療とお世話を続けました。

治療が進むにつれて意識がだんだんと回復し、こちらの呼びかけに反応してくれるようになりました。
私が一番嬉しかったのは、初めて私の手からご飯を食べてくれたときです。
1粒目を口に入れてくれた時の気持ちは、それまで味わったことのないものでした。

だんだんとごはんの量が増え、体調も回復し、自分で立ち上がることが出来るようになる頃には、気持ちを許してくれたのか、尻尾を振ったり、吠えて呼んでくれたりすることが増えました。
およそ1か月の入院期間が終わる頃には、散歩に出る事も、走る事も出来るようになりました。

退院する時は少し寂しい気持ちもありましたが、飼い主様が涙を流して、迷惑をかけた謝罪と元気になった感謝を伝えてくれたこと、今でも思い出します。
動物看護師は命と向き合う仕事、大変なこともあります。
でもだからこそ、動物やその家族とのつながり、信頼関係、そして元気になったときの喜びはとても大きなやりがいにつながります。
動物たちや飼い主様の為に、全力を尽くすことがどんなことなのか、ぜひ皆さんにも体感して欲しいと思っています。